『大学等放射線施設協議会』第22回〜第27回理事会報告】


【第22回理事会】


日 時 平成10年9月1日(火)11:00〜15:00
場 所 東京大学山上会館地階会議室
出席者 栗原会長、ほか理事、監事、顧問

「報告事項」

1.放射線審議会において審議されてきたICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度への取
入れに関する結果が意見具申として平成10年6月付けで各関係省庁に提出された。
2.将来問題検討小委員会において、「大学等における放射線施設の管理業務の現状と
その改善に関する調査」および「大学等における放射線施設の主任者業務及び管理業務
の現状に関する意識調査」の現時点でのまとめが作成された。
3.「大学等における放射線安全管理の要点」(アドスリー)が完成し9月2日付けで
発行された。
4.放射性有機廃液焼却に関して排気中のダイオキシン問題と絡んで、各事業所におけ
る現状の有機廃液焼却状況の調査票が日本アイソトープ協会のライフサイエンス部会名
で、近日中に発送される予定である。
5.現時点での協議会会員数は、団体会員360、個人会員184、賛助会員27(口
数47)である。

【協議事項】

1.平成9年度事業報告・会計報告・監査報告及び平成10年度事業計画案・予算案
 報告・計画案・予算案等の内容にっいて説明と質疑応答があり、了承された。
2.総会の実施案
 平成9年度総会の審議事項について承認された。
3.全国研修会の実施案
 「平成11年度大学等における放射線安全管理研修会」の実施案について、文部省学
 術情報課長の講演、科学技術庁放射線安全課長の最初の講演のあと、少し時間を割いて、
 科学技術庁の立入検査における検査官の指摘や指導には検査官によって異なる場合があ
 ること、また放射性廃棄物のクリアランスレベルなどにっいての質問・討議を行う予定
 とした。 放射線審議会における「ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度取入れ上に鴨
 する審議について大学等放射線施設協議会から提出した異議ならびに要望・提案にっい
 ては、科学技術庁放射線安全課長の2番目の講演の後で、会長が報告を行うこととした。
 午後の森川顧問の講演では、当日発行される「大学等における放射線安全管理の要点」
 に即した解説を行うこととした。
 午後2番目のプログラムでは、井出理事が「大学等における放射線施設の管理業務の
 現状とその改善に関する調査」およぴ「大学等における放射線施設の主任者業務及ぴ管
 理業務の現状に関する意識調査」の中間集計結果にっいて説明し、とくに回答の中で目
 由に意見を記すこととなっていた部分にっいて、かなり詳細にわたって紹介するととも
 に、会場からの質疑・意見を受け、十分な意見交換・討論を行うこととした。最後に、
 時間の許す限り、幾つかのトピックスにっいて説明と意見交換を行う。主なトピックス
 は科学技術庁の立入検査における各検査官の見解の相違、放射性有機廃液の焼却処理、
 とくにダイオキシン発生の可能性指摘に対する対処、大学等における国際規制物資・核
 燃料物質の管理の体制・方法、放射性廃棄物のクリアランスレベル等である。なお、研
 修会の終了後、交流会を午後6時半まで行うこととした。
4.平成11年度の総会・全国研修会の開催要領
 討議の結果、平成11年度も東京大学大講堂において開催すること、ただし期日は大
 学院入試等との日程重複を避けるため8月24日(火)とすることとした。なお、役員
 会等はその前日23日(月)とする。
5.地区研修会の実施案
 東北地区は平成11年3月10日前後に開催する。北陸東海地区の金沢での日程は平
 成11年3月とするが詳細は今後決定する。また近畿地区の研修会は大阪大学吹田キャ
 ンパスで開催する予定とし、時期は平成11年3月か4月に平成10年度分として開催
 することとした。いずれも内容については地区の担当理事(それぞれ中村、森、山本・
 恵理事)が検討し、今後の理事会で決定する。
6.常議員会の予定
 9月1日(火)の理事会に引き続き、午後3時半より、常議員会を開催する。議題は、
 平成9年度事業報告、会計決算報告の承認と、平成10年度事業計画案・予算案の承認、
 翌日の総会・研修会の開催要領の提案と審議・了承、さらに「大学等における放射線施
 設の管理業務の現状とその改善に関する調査」および「大学等における放射線施設の主
 任者業務及び管理業務の現状に関する意識調査」のまとめについて概略の説明等を行う
 こととし、これに関する研修会での討議に関する審議を行う。また最近のトピックスの
 うち科学技術庁の立入検査、放射性有機廃液焼却における問題点、国際規制物資・核燃
 料物質に関する大学等における現状、放射性廃棄物のクリアランスレベル等についても
 討議する。



 

【第23回理事会および科学技術庁放射線安全課との懇談会】


日 時 平成10年11月2日(月)11:00〜14:15
場 所 東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
出席者 栗原会長、ほか理事、監事、顧問

日 時 平成10年11月2日(月)15:00〜17:00
場 所 科学技術庁放射線安全課(永田町合同庁舎)3階会議室
出席者 (協議会)栗原会長、ほか理事、監事、顧問
(科学技術庁)植田課長、亀井課長補佐、近江谷室長補佐、鎌田係長

「報告事項」

1.放射線審議会による「国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告の国内制度への取
入れについて」の意見具申が平成10年6月付けで提出されたことに関連して、同審議
会第77回基本部会が10月23日に開催されたこと、また同部会長あて平成10年1
0月に提出された「内部被ばく及び外部被ばくの評価法に係る技術的指針検討ワーキン
ググループ報告書」について審議が行われたこと、ならびにその内容の概略が紹介され
た。

【協議事項】

1.劇物及び毒物の安全取扱いについて
 劇物及び毒物の安全取扱に関する文部省からの通知、並ぴに科学技術庁放射線安全課
 長からの「お願い」等に関連して、放射性同位元素等の安全取扱についての注意の喚起
 を、大学等の放射線施設に対して、本協議会から何らかの形で実施するかどうかの討議
 を行ったが、実施しないことになった。
2.放射性有機廃液の焼却処理について
 配布資料を参考にしっっ報告と討議が行われた。日本アイソトープ協会ライフサイエ
 ンス部会専門委員会名で実施されたアンケート結果の概要・トリクロロ酢酸等の混入の
 可能性、焼却方法・温度が機種により異なるが概ね800度以上であることなどが報告
 され、原子力安全委員会放射性同位元素等安全規制専門部会における討議の結果では、
 取り敢えず液体シンチレーション廃液の焼却を続けても問題ないであろうとの結論に達
 した。ただし、確実な測定データを保有しておく必要はあるので、メーカーとの協力の
 もと、模擬廃液の試験焼却と、その際の排気・排水中のダイオキシン濃度測定を実施す
 る計画があることが紹介された。
3.科学技術庁との懇談項目
 午後3時から科学技術庁で行なわれる大学等放射線施設協議会理事会メンバーと科学
 技術庁放射線安全課長およぴ同課係官との懇談において話し合う内容の打ち合わせを行
 なった。
 ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度取入れに関して、本協議会として今後とも提案
 ・要望を続けて行くこと、また、これとは独立に放射化物の取扱についての統一見解、
 管理区域設定における測定・計算等の方法・基本条件(測定器のトレーサビリティ等)
 などの問題、あるいは、短寿命核種の規制についての合理的な変更等などを取り上げる
 こととした。
4.地区研修会の予定
 近畿地区で行われる研修会は平成11年4月8日(木)に大阪大学で行うことで了承
 された。なお、北陸東海地区(金沢)と束北地区(仙台)の予定は平成11年3月とす
 るが、詳細は次回以降に審議することとした。


【科学技術庁放射線安全課における懇談】

場所:科学技術庁放射線安全課(永田町合同庁舎3階)会議室
科技庁放射線安全課出席者:植田課長、亀井課長補佐、近江谷室長補佐、鎌田係長

1.課長より、ICRP Pub.60の取入れについて予定が紹介された。すなわち、現在検討
中の放射線審議会基本部会での被ばく評価の技術的指針の案を12月中にまとめて意見
募集を行なう予定であること、排気、排水濃度限度は原研が計算し告示別表を改正する
予定であるが12月の意見募集の段階では計算方法のみを示し確定数字は示さないこと、
などである。
2.課長より、放射線障害防止法の運用上のガイドライン等について、原子力安全委員
会放射性同位元素等安全規制専門部会に審議を依頼中であり、放射線発生装置使用施設
における放射化物の取扱い、外部放射線の測定結果に基づく管理区域の設定、放射性有
機廃液の焼却処理における安全管理、放射性標識化合物の取扱いにおける安全管理の4
件が対象であることが紹介された。
3.主任者講習が東京以外では、原子力安全技術センターが大阪(大阪薬科大学)で開
催予定であること(第2種)、その他も検討中であることが紹介された。
4.立入検査等における審査マニュアル、検査マニュアルは、原子力安全技術センター
から今年度中をめどに出版計画中であることが紹介された。
5.本協議会側からは、協議会の成り立ち、その活動状況を紹介した。
6.懇談では、とくに議題をきめず、目由討議を行い、とくに立入検査における検査マ
ニュアルに関しては、今後協議会としても提言等を行なっていくことを述べた。
その他、障害防止法関係の改正も含めた要望、法令の運用における要望などについてい
くつかの具体例をあげて懇談した。

 



【第24回理事会】

日 時 平成10年12月18日(金)11:00〜17:00
場 所 東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
出席者 栗原会長、ほか理事、監事、顧問

「報告事項」

1.放射線審議会による「国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告の国内制度への取
入れ」の審議進捗状況。内容の基本については委員の合意が得られていること、若干の
修文が入る予定であり、その後この技術指針(案)について「国民の声」を聞く予定
であること、またその後平成11年2月頃に「放射線審議会基本部会」が開かれ再度審
議が行われる予定であること、などが紹介された。
内容については、外部被ぱくの測定は1センチメートル線量当量で行い、評価は実効
線量で行うこと、換算係数も検討されており、これが「告示」に入れられること、また
内部被ばく関係では、現行の「吸入の区分」と「f1」を告示には入れない(マニュア
ルなどに入れる)こと、また「年摂取限度」を「線量係数」(mSv/Bq)で置き換
えることなどが指摘された。また、現行と改正案の空気中濃度限度値・排水中の濃度限
度値の比較等についても若干説明された。また、遮蔽等の計算における前提条件の現状
と改善案、ならびにフィルター捕捉効率、動物実験における飛散率等の報告があった。

【協議事項】

1.「大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査」および
「大学等における放射線施設の主任者業務及び管理業務の現状に関する意識調査」のま
とめと要望書等の検討
 井出理事等より、今後のまとめ等で重要でありかっ急がれることは、とくに「意識調
 査」の中の5-3、5-4(現行法令による規制の改善や法令解釈等)、6(放射線管
 理上の問題,点解決の方策提案等)のように自由に意見が記入されている回答の整理と、
 そこで現れた意見のうち、協議会としての要望書等で強調すべきものの拾い出し・検討
 であることが、述べられ、平成11年1月末を目途に中国地区の協議会関係者によって、
 意見の整理と、とりまとめ案作成作業を行うことが予定された。そのまとめ案に基づき、
 将来計画検討小委員会で討議することとした。
2.地区研修会の予定について
 中村理事より・平成11年3月9日に東北地区研修会を東北大学青葉記念館で行うこ
 と、内容は講演が大学等放射線施設協議会の活動について、最近の事故報告と10月の
 科学技術庁放射線安全課課長通知(科学技術庁放射線安全課係官)、内部被ばく及び外
 部被ぱくの評価法に係る技術的指針検討、遮蔽マニュアルについて等であり、っいで総
 合討論を行うことが提案・了承された。
 森理事より、平成11年3月16日に第2回北陸東海地区研修会をKKRホテル金沢
 で行うこと、内容は文部省学術情報課挨拶に続き、講演二題:I C RP1990年勧告
 の法令への取入れに関する最近の動向、放射線発がん機構研究の最近の動向、続いてパ
 ネル討論会:科学技術庁の立入検査における指摘と改善策、R I施設で問題となる環境
 汚染物質の安全管理の現状と改善策等を行う予定が提案・了承された。
 山本理事より、平成11年4月9日に近畿地区研修会を大阪大学コンベンションホー
 ルで行うこと、内容は、大学等放射線施設協議会の活動状況、放射線行政の現状と今後
 について(科学技術庁放射線安全課)、最近の立入検査の傾向、遮蔽マニュアル改訂版
 の解説、科学技術行政と放射線安全(原子力安全委員会委員長代理住田健二)とする
 ことが提案・了承された。
 なお、各地区の研修会に対しては、協議会事務局より補助としてそれぞれ20万円を
 支出すること、研修会参加費は通常3000円位としていることなどが紹介された。
3.その他
 (1)少量非密封放射性同位元素の規制に関連して、監視区域の設置についての幾つか
 の考え方が紹介された。
 (2)RI研究所等廃棄物処分については、クリアランスレベルの問題と短半減期放射
 性同位元素の取扱の問題とは切り離して論じるべきであるとの考えが示された。なお、
 クリアランスレベルについての具体的な数値として、原子力発電所の解体で発生する放
 射性廃棄物のうち、産業廃棄物として処分できる放射能レベルを示す判断基準値として、
 それらの取扱い(埋設やリサイクル)において、人が浴びる放射線量が年間0.01ミリシ
 ーベルト(10マイクロシーベルト)以下とする数値を原子力安全委員会の専門部会が示
 しこれを公表したこと、また産業廃棄物への分類変更に関係して生じ得る問題点が紹介
 された。
 なお、森川顧問より、クリアランスレベルに関する本協議会としての考え方を討議し、
 場合によっては提案・要望等をまとめるため、新たなアンケート調査等も含めて検討し
 てはどうか、との提案が出され、これをどう扱うかは今後の理事会等で検討することと
 した。
 (3)放射性有機廃液の焼却に関して、現行の放射性有機廃液焼却装置の排気中のダイ
 オキシン濃度等に関する安全評価のために、模擬廃液を用いるなどして焼却実験を行う
 計画が進んでいることが紹介された。
 (4)本協議会編の「大学等における放射線安全管理の実際」(出版:クバプロ)は今
 後アドスリーにおいて販売業務が引き継がれることとなったことが報告された。本年度
 発行の「大学等における放射線安全管理の要点」(出版:アドスリー)は、丸善におい
 ても販売業務が行われることが合わせて報告された。(購入希望者は丸善またはアドス
 リーどちらに対して申し込んでもよい。)
4.会費未払い者の取扱について
 若干討議を行った。賛助会員、団体会員、個人会員いすれにしても、さらに督促すると
 共に、期日を定めて「この期日までに支払いが無い場合は退会と見なす」との通知を出
 す方向で検討することとした。

 



【第25回理事会】

日 時 平成11年3月12日(金)11:00〜17:00
場 所 東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
出席者 栗原会長、ほか理事、監事、顧問

【協議事項】

1.地区研修会
 東北地区研修会が3月9日仙台にて開催されたこと、北陸東海地区研修会が3月16
 日金沢にて、近畿地区研修会は4月9日に大阪大学で開催されることの予定などが紹介
 された。
2.科学技術庁立入検査における「内部被ぱくの測定」の指摘について
 科学技術庁の立入検査時に、複数の大学等事業所において、内部被ばくの測定がなさ
 れていないこと、あるいは内部被ばく評価の記録が無いことに関して、指摘事項となっ
 た事例が紹介された。事業所側の対応として、(1)非密封放射性同位元素等使用施設で
 内部被ばくの測定が必要であることを再認識すること、(2)内部被ばく測定は「計算に
 よって行うこと」も可能であり、その場合、空気中放射性同位元素濃度を測定(あるい
 は取扱量からの推算)により求め、これに基づき吸入量を算出し、内部被ばくの評価を
 行うことも可能であること、(3)しかし、空気中放射性同位元素濃度はできる限り実測
 するのが望ましいこと、等が、意見交換の結果、了解された。
3.放射性有機廃液焼却処理指針について
 放射性有機廃液の焼却処理における安全管理ならびに同処理のための焼却装置の安全
 管理について、科学技術庁放射線安全課長より、相次いで「お願い」、「お知らせ」と
 題した指針が「非密封放射性同位元素取扱事業所」宛てに出されていることが紹介され
 た。それによると平成10年10月20日時点では「塩素を含む試薬」の混入した液体
 シンチレーター廃液については焼却処理を控えることとなっており、ついで平成11年
 2月5日付けの指針で、「塩素を含む試薬の混入した液体シンチレーター廃液」の焼却
 については「焼却炉は排気設備に連結された構造とすること」ならぴに「焼却の際の燃
 焼温度が摂氏800度以上であること」を確認・記録しながら焼却作業を行うこととさ
 れた。この件に関して森川顧問より、行政側の一連の対応等について説明が加えられた
 2、3の質疑ならぴに討議の結果、上記事項に関する了解内容に基づき、大学等におけ
 る関連事業所からの問い合わせ等に対して適切に説明・助言等を行っていくことを確認
 した。
4.「大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査」およぴ
「大学等における放射線施設の主任者業務及ぴ管理業務の現状に関する意識調査」のま
とめと要望書等の検討
 標記調査結果のまとめ方の方針や内容に関しては、3月8日の将来計画検討小委員会
 で討議されたことが紹介された。その討議にも基づき、巻出理事より、本調査のまとめ
 は、2ないし3部から成る構成とし、第1部はできる限り客観的な集計やまとめを目指
 すこととし、数値で可能なあるいは意義のあるものについて図示する、記述式回答の中
 の主要な意見はその整理・集約を行い、これらを中心として構成すること、第2部は協
 議会の解説や意見をも盛り込んだまとめとすること、第3部はこれらに基づく提案を中
 心とすること(ただし第3部は第2部の一部として続けてまとめる可能性もある)、な
 どが提案され、審議の結果了承された。
 ついで、井出理事より、とくに「意識調査」の中の5-3、5-4(現行法令による
 規制の改善や法令解釈等)、6(放射線管理上の問題、点解決の方策提案等)、および7
 (その他大学等における放射線管理業区についての意見・提案)のように、自由に意見
 等が記入されている回答の整理に関して、中国地区の関係者によってまとめられた資料
 をもとに説明があった。しかしまだ十分に討議が尽くされていないことから、まとめ方
 の意見・回答に関する解説的なもの(誤解が含まれているような回答に関してはとくに
 その解決法等も含む)、とくに第2部に関連する「取り上げるべき提案」と本調査関連
 の「考え方」等について、理事会メンバーから提案を集めることとなった。
 なお、本調査のまとめの中に含まれる第3部(あるいは第2部の後半)における意見
 ・提案と関連はするが、それとは別に、文部省、科学技術庁等関係省庁あてに提出する
 提案・要望書の内容を次回以降の理事会、将来計画検討小委員会等で討議していくこと
 とした。
5.今後の協議会の活動方針、内容
 (1)上記4の議題に関連して、将来計画検討小委員会を5月中旬に行う。役員より提
 案された調査内容のまとめ案の検討を行う。この小委員会の討議に基づいて若干の作業
 を行うことで最終に近い案が作成できるようになることを目指す。また、これと関連し
 て関係省庁宛要望書の内容も検討していくこととする。
 (2)理事会において、小委員会案を検討する。





【第26回理事会】

日 時 平成11年6月4日(金)11:00〜17:00
場 所 東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
出席者 栗原会長、ほか理事、監事、顧問

「報告事項」

1.放射線審議会基本部会の、「外部被ばく及び内部被ばくの評価法に係る技術的指針」
(平成11年4月)ならびに同「指針(報告案)に対する意見への回答」について、紹
介があった。
2.法令改正関係で、クリアランスレベル検討ワーキンググルーブの設置について説明
があり、これに関する「第8回加速器放射線安全検討委員会メモ」中の「極低レベルを
超え、固形化しないと処分できない廃棄物(政令濃度限度の1/100以上のもの)の
量の推定が重要であること」とのRI・研究初等廃棄物事業推進準備会での発言の紹介
があった。
3.地区研修会の報告があった。

【協議事項】

1.法令改正関係で、上記報告事項の1とも関連して、遮蔽マニュアル関係の検討ワー
キンググループの進行状況と、中でも管理区域境界等に対する滞在時間及び担保方法に
っいての考え方は現時点では一つにはまとまらず両論併記であること、などが報告され
たこれに関する「第8回加速器放射線安全検討委員会メモ」中の「管理区域境界の外
で事業所内におけるある範囲までの滞在時間については担保なしに合理的な説明があれ
ば、これを認める」との趣旨についての説明、このような意見の今後の扱いについて討
議があった。理事会でまとめる予定の「要望・提言」等にもりこむこととすることで了
承された。
2.上記に関連して、管理区域設定に関しては、遮蔽のみならず、非密封放射性同位元
素使用施設では、空気中の濃度限度等の評価を施設許可申請の際に行わなければならな
いが、これらの合理的な評価方法についてもこの際、RI飛散率などの推定その他多く
のモデルやパラメータなどを含め、全面的に見直す必要があると考えられる。この点に
ついて討議が行われ、早急に遮蔽マニュアル検討のワーキンググループと同様の遮蔽以
外のモデルやパラメータを検討するためのワーキンググループを設置するよう関係機関
(科学技術庁等)に要望を出すこととなった。これについては会長が事務局と共同して
案を作成することとした。
3.科学技術庁の立入検査や申請・届出等についての「安全管理ガイドブック」につい
て討議され・内部被ばくに関連した空気中の放射性同位元素濃度の測定・排気の連続モ
ニタリングの問題、「1年を超えない」との表現の現実的解釈、あるいは作業室の表面
を「平滑に」仕上げるとの表現の現実的な意味づけ等が話題となった。これらについて
提言を含めたコメントを事務局へに集めることとした。なお、内部被ばくに関して、そ
の記録レベルは3月で2mSvを超える場合であることをどこかで明記すべきではない.
かとの意見も出た。
4.「大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査」およぴ
「大学等における放射線施設の主任者業務及び管理業務の現状に関する意識調査」にお
ける自由意見回答のまとめ、コメント案について若干の討議があり、さらに意見を取り
入れて改訂を進めることとなった。
5.8月24日の総会・研修会の計画について、特別講演として、文部大臣・科学技術
庁長官有馬朗人氏に依頼してはどうかとの提案があり、その可能性を打診することとな'
った。またパネル討論としては、上記4に関するものを行う。文部省学術情報課長、科
学技術庁放射線安全課長の講演は例年通り依頼する。
6. 会報の内容のうち・寄稿として西澤潤一氏(現岩手県立大学長;元 東北大学長)
に依頼してはどうかとの提案があり、打診することが了承された。
7. 次回理事会は7月26日に東京大学アイソトープ総合センターにて行う。 この理事
会の後または前に科学技術庁放射線安全課の係官との懇談を行ってはどうかとの提案が
なされ、 それについて科学技術庁放射線安全課の都合を調べてから決定することとした。



【第27回理事会および科学技術庁放射線安全課との懇談会】


日 時 平成11年7月26日(月)11:00〜16:15
場 所 東京大学アイソトーブ総合センター1階会議室
出席者 栗原会長、ほか理事、監事、顧問

日 時 平成11年7月26日(月)17:00〜18:40
場 所 科学技術庁放射線安全課(永田町合同庁舎)3階会議室
出席者 (協議会)栗原会長、ほか理事、監事、顧問
(科学技術庁)下村課長、亀井課長補佐、水元課長補佐、
近江谷検査室長補佐、ほか

【協議事項】

1.ICRP1990年勧告の国内制度取入れに関連する放射線審議会ほか各種委員会
 ワーキンググループ等の動向について、並びに管理区域設定条件等についての要望
 標記委員会等の動向について説明があり、また科学技術庁原子力安全局長あて要望書
 について若干の討議を行い、本日、科学技術庁放射線安全課係官等との懇談の席で説明
 の上、 後日提出することとし、とくに空気中濃度、排水中濃度の計算に当たってのマニ
 ュアル策定に関する検討ワーキンググループの設置を要望することとした。 (後日、科
 学技術庁から、要望内容は具課題であり、宛先は局長名でなく放射線安全課長名として
 ほしい旨の依頼があり、その線で提出した。
2. 放射性有機廃液処理指針の運用状況について
 6月1 日付け各事業所宛に送られた標記通知に関して、旧通知との相違点および変わ
 っていない点について森川顧問等より指摘があり、「排気設備に連結する」 「摂氏80
 0度以上であることを実測により確認しながら」等の解釈について、若干の討議を行っ
 た。また、 「汚染の状況の測定は排気の都度行い」との記述に関連して、 最近の科学技
 術庁立入検査における指導・指摘の状況の紹介があった。
3.「大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査」 および
「大学等における放射線施設の主任者業務及び管理業務の現状に関する意識調査」の中
間報告と提案・要望書等の検討
 標記調査結果のまとめの内容に関しては、7月19日の将来計画検討小委員会で討議
 したことが紹介された。その討議に基づいて作成された中間報告案について討議され、
 自由意見のまとめはこの中間報告の末尾に置くことがきめられ、これはすべて8月に配
 布される 「会報」に収録することとした。
 これに関連した「提言」案について若干の討議した。今後、粟原会長が提言 (案)を
 まとめ印刷し、8月24日の研修会において参加者に配布し、討議ののち、最終的な提
 言として完成させることとした。
 また、各省庁、あるいは大学当局等に提出する「要望書」についても続いて作成する
 こととするが、上記提言も参考にし、引き続き「将来問題検討小委員会」等で検討して
 行くこととした。
4.本年の全国研修の実施要項について
 第3項「調査」に関して、パネル討論を行うこととする。フロアからの活発な発言も
 期待することとした。
 研修の中で、上のパネル討論に続いて行う「ICRP1990年勧告の国内制度取入
 れ」関係の意見交換では、科学技術庁立入検査時における指摘・指導事項等についても
 話題提供を行い、意見交換を行う。
5.今後の協議会の活動方針
 次期の協議会出版物として「大学等における放射線管理Q&A」とでも名付けるべき、
 各種の疑問点とそれに対する回答例を示したものを企画しては如何かとの提案が出され、
 今後さらに審議することとした。
6.理事、鴬議員の交替について
 定年退職等に伴う今期限りでの理事退任の申し出があり討議されたが、承認にいたら
 ず、今後も審議することとした。また、理事と監事の入れ替えに関しても提案があった
 が、次回の理事会で結論をまとめ、常議員会、総会に諮ることとした。また常議員につ
 いても交替と候補の提案があった。いずれも次回の理事会・総会等に諮って承認を得
 ることとなる。



【科学技術庁放射線安全課との懇談会】

日時:理事会のあと午後5時より6時30分頃まで。
場所:科学技術庁放射線安全課。
放射線安全課出席者:下村課長、亀井課長補佐、水元課長補佐、近江谷検査室長補佐。
話題内容:上記理事会の議題1にある要望書の内容説明、とくに空気中・排水中放射
性同位元素濃度の計算に関するマニュアル策定に関するワーキンググループ設置等の提
案と、これらに関する2、3の意見交換、ならぴに行政側の動きの紹介;科学技術庁
の最近の立入検査における指導・指摘事項に関する疑問点たとえぱ非密封放射性同位元
素作業室内のプラインドの可否(およびその汚染検査)等についての意見交換;有機
廃液焼却における安全管理についての放射線安全課からの文書の内容についての疑問点
に関する意見交換など。



 

【『大学等放射線施設協議会』常議員会報告】


大学等放射線施設協議会平成10年度常議員会は、平成10年度総会の前日
午後・午後3時から・束京大学山上会館2階会議室において開催された。主要
審議事項は、下記のとおり。
1)平成9年度事業報告がなされ、承認された。
2)平成9年度決算・同会計監査結果が報告され、承認された。
3)平成10年度事業計画(案)・同予算(案)が説明され、総会で審議する
ことが了承された。
4)「大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査」
および「大学等における放射線施設の主任者業務及ぴ管理業務の現状に関する
意識調査」中間集計結果の概略が説明された。
5)最近のトピックスのうち、放射性有機廃液の焼却についての情報・意見が
交換された。関連して、近く行われる日本アイソトープ協会からの調査「有機
廃液焼却炉に関するアンケート」についての説明がされた。また、国際規制物
資の大学等における取扱に関し、最近の情勢を含めて情報・意見が交換された。
6)平成11年度の総会・研修会の日程を8月24日(火)、常議員会はその
前日23日(月)とすることが承認された。場所は今年度と同じく、東京大学
大講堂と山上会館とすることも併せて承認された。
7)今年度の地区研修会として、仙台(東北大学)、金沢(金沢大学)、大阪
(大阪大学吹田キャンパス)で予定されていることが報告された。
8)協議会編「大学等における放射線安全管理の要点」(アドスリー)が9月
2日に発行されることが報告された。


 

委員会活動報告

 

『大学等放射線施設協議会将来計画検討小委員会』報告

今後、文部省に提出する大学等放射線施設およぴ管理体制の改善(施設、
設備、予算、人員他)に関する要望書の内容とその資料となるアンケート
「大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査』
等の内容と実施方法について検討し、またアンケート回答内容をまとめ、
解析し、報告書案を作成することを目的として第10回理事会(平成8年
12月26日)で設置。
委員メンバーは、栗原会長、巻出事務局長、井出理事、恵理事、森理事、
加藤理事、森川顧問、ならぴに事務局・遠藤正志、の8人。



【第1回将来計画検討小委員会】
平成9年6月14日(土)17:30-19:30
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
次回調査案内容の検討。

【第2回将来計画検討小委員会】
平成9年7月29日(火)17:30-19:30
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
次回調査案の内容を検討・提案し、最終案を9月の研修会において
配付し、パネル討論する。

【第3回将来計画検討小委員会】
平成9年11月22日(土)13:30-19:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
次回調査案内容の検討

【第4回将来計画検討小委員会】
平成10年1月29日(木)11:00-17:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
「大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査』の
文案、実施方法、要望書内容等の最終検討

【第5回将来計画検討小委員会】
平成1ゴ0年7月3日(金)11:00-19:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
『大学等における放射線施設の管理業務の現状とその改善に関する調査』
および『大学等における放射線施設の主任者業務及び管理業務の現状に
関する意識調査』の実施一回答データ整理

【第6回将来計画検討小委員会】
平成10年7月28日(火)11:00-19:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
調査回答結果整理・解析

【第7回将来計画検討小委員会】
平成10年8月21日(金)11:00-19:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
調査回答結果整理・解析

【第8回将来計画検討小委員会】
平成10年12月17日(木)17:00-21:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
調査回答結果整理・まとめ 一

【第9回将来計画検討小委員会】
平成11年3月8日(月)11:00-19:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
調査結果まとめ・報告書案

【第10回将来計画検討小委員会】
平成11年5月15日(土)11:00-19:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
調査結果まとめ・報告書案

【第11回将来計画検討小委員会】
平成11年7月19日(月)11:00-19:00
東京大学アイソトープ総合センター1階会議室
調査報告書案

 平成8年12月26日理事会承認
大学等放射線施設協議会将来計画検討小委員会委員名簿
【委員長】
栗原紀夫 (大学等放射線施設協議会理事・会長)
【委員】
巻出義紘 (大学等放射線施設協議会理事・事務局長)
井出利憲 (大学等放射線施設協議会理事)
恵 和子 (大学等放射線施設協議会理事)
森 厚文 (大学等放射線施設協議会理事)
加藤和明 (大学等放射線施設協議会理事)(平成9年11月から)
森川尚威 (大学等放射線施設協議会顧問)
遠藤正志 (大学等放射線施設協議会事務局・
東京大学アイソトープ総合センター業務掛長)




「加速器放射線安全検討委員会』活動報告

本協議会の下に標記委員会が作られ、加速器施設の放射線安全について幅広い検
討が行われている。委員会には加速器を有する一部他研究機関、企業の事業所担当者
にも入っていただき、国内全体の加速器施設が抱える放射線安全に関する問題の検討
や意見等の集約を行っている。
平成10年度の活動内容の概略を以下に示す。


「第7回加速器放射線安全検討委員会」
日時:平成10年7月8日 13:30〜17:00
場所:高エネルギー加速器研究機構放射線科学センター会議室

協議事項:
イ)加速器施設の放射性廃棄物について
RI・研究所等廃棄物の処理処分について原子力委員会の専門部会等で具体的な審
議が開始された。これに合わせ、RI廃棄物に比べ情報量の少ない加速器施設放射性
廃棄物について国内の主要な事業所にその種類、量、将来の発生見込み、問題点等に
ついてアンケート調査を行うことになった。
ロ)加速器施設の放射化物の取り扱いについて
各施設における放射化物の取り扱いについて意見の交換が行われた。先にRI協会
のもとでまとめられた放化物の安全取り扱いの内容をベースとしたガイドラインの内
容について検討を行った。


「第8回加速器放射線安全検討委員会」
日時:平成11年3月18日 13:30〜17:00
場所:高エネルギー加速器研究機構計算科学センター第1会議室

イ)遮蔽マニュアル検討委員会の審議状況について
「管理区域境界における線量評価」の問題について意見の交換を行った。場所の線
量評価に直接関連する「滞在時間」の扱いについては、マニュアル委員会で検討され
た「ある範囲までの滞在時間については、担保なしに認める」とする内容を強く支持
していくこととした。
ロ)RI・研究所等廃棄物について
実施されたアンケート調査結果について意見の交換が行われた。今後調査内容を各
種検討委員会に反映していくこととした。



加速器放射線安全検討委員会の委員は以下の通りである。(平成11年4月現在)
近藤健次郎 (委員長、高エネルギー加速器研究機構)
上簑義朋 (理化学研究所)
加藤和明 (茨城県立医療大学)
沢村貞史 (北海道大学)
柴田徳思 (高エネルギー加速器研究機構)
野呂哲夫 (大阪大学核物理センター)
中村尚司 (東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター)
平山英夫 (高エネルギー加速器研究機構)
桝本和義 (高エネルギー加速器研究機構)
石田正美 (放射線医学総合研究所)
多田順一郎 ((財)高輝度光科学研究所)
新野二男 (日本原子力研究所高崎研究所)
原田康典 (日本原子力研究所高崎研究所)
三角智久 (電子技術総合研究所)
近藤民夫 ((株)日本メジフィジックス)
倉田明 ((株)第一ラジオアイソトープ研究所)
宇田達彦 (核融合研究所)


 

 


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